保育士と幼稚園教諭どっちがいい?違いを比較してみた

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短大や専門学校の保育士養成課程に入ると、幼稚園教諭免許も一緒に取れる所が多いです。(※四大で幼児教育学科以外の心理学科などで資格を取る際にはスクーリングが必須です)

卒業時にどちらの資格を活かして就職をするのか迫られますが、実際どっちの資格を活かして働く方が得でしょうか。

今回は保育士と幼稚園教諭の違い、どちらで働いた方が得なのかを紹介します。
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保育士と幼稚園教諭はどっちがいい?違いを項目別に比較してみた

免許取得にかかる学費の比較

短大・専門学校の幼児教育に行けば、保育士と幼稚園教諭どちらの資格も卒業時に得られる様にカリキュラムが組まれています。

四大の幼児教育関係の学科も同様にどちらも取得可能です。

ただし、心理学科だけは「心理の授業+保育士養成課程」で保育士のみの取得になります。

幼児教育はスクーリング必須で、費用は『四大学費+保育士課程学費+スクーリング費』になります。

 

━━費用比較

  • 短大:100万円前後
  • 専門学校:250万円~350万円(※2年制、3年制でまた変わってきます)
  • 四大:500万円前後(※四大卒業までの学費を示しています)
  • 心理学科で+αの取得の場合:500万円前後(心理学科にかかる費用も加算しています)

 

一番高くつくのは「四大」か「心理学科+α」での取得です。

人間の心理や発達を詳しく学ぶので、授業は心理科目が中心で、設定保育や保育現場で子どもに対応するスキルはやはり短大や専門学校の方が身に付きます。

どうせ四大に行くならば、幼児教育を極めている幼児教育学科の四年制に行く事をオススメします。

一度社会に出て、改めて資格取得を目指す人の場合は、多くの人が学費の補助や融通の利く専門学校に通い直しています。

簡単に取得できる資格(免許)はどっち?

簡単に取れるのは、実習期間の短い『保育士』でしょう。

保育士は「施設」「保育所実習」「自由実習」を各10日間、計1ヶ月行います。

養成校によりますが、実習は10日間で区切られており、環境も変わるため、少し我慢すれば終わります。

 

しかし、幼稚園教諭は夏休みの間に一か月間、集中して資格を得るところばかりなので、同じ幼稚園に一か月通い、実習をこなさなければいけません。

この実習を乗り越えられずに資格を諦める人も多いです。

とある学校の割合ですが、100名定員がいたとして、実際に実習を経て幼稚園教諭免許を手にできたのは半数の『約50名』でした。

 

保育士資格も幼稚園教諭免許も、どちらも簡単に取れるとは言い難いですが、やはり保育士資格の方が気軽に取れるというのはあります。

保育士と幼稚園教諭の資格両方を得るメリットは?

保育士と幼稚園教諭両方を得るメリットは『認定こども園で中心的な役割を果たせる』ことです。

認定こども園は、幼保一体化した学習指導がある施設になるので、幼稚園教諭の免許も必要になります。

保育士と幼稚園教諭両方の資格がなくても働くこと自体は可能ですが、学習指導の時間は外されたり、逆に保育士の資格がないと設定保育などの際には補助役に回されます。

「正社員として採用されたい」

「フルタイムで園で活躍したい」

という人は両方を取得することをオススメします。

 

最近では共働き家庭が増え、フルタイム労働をする保護者が増加傾向にあります。

このような事情から、19時までの延長保育を必要とする保護者も増加しています。

幼稚園では基本的に延長保育は17時までの所が多く、保育日数も39週を下回ると言われているので、夏休みや冬休みなどの長期休暇も発生します。

子どもを預けたい保護者からすれば、保育料も一律なので決して安いとは言えず、休みも多く、他に預ける場所を探さなければいけない幼稚園は預けにくいというのが本音です。

 

その証拠に、現在増加しているのは圧倒的に『保育所』で、保育士資格を持っている方が職場の選択肢が増えます。

幼稚園教諭の資格しか持っていないと、保育士資格を必要とする場では、『保育補助』という扱いを受けてしまいます。

幼稚園教諭の需要が低いのは、幼稚園の数が増えていない事が原因だと考えられます。

 

関連記事:保育園での保育補助のパートの仕事内容や求人について

 

管轄

幼稚園は学習を必要とするので『文部科学省』の管轄となります。

対して保育所は『厚生労働省』の管轄となっており、厚生労働省は待機児童問題を解消しようと保育所増設へ向けて努力を続けています。

保育内容

保育所では、学習などは全くせず、『子ども達が保護者と離れる事で欠けてしまった保育を補う機能』を求められます。

日常生活の指導から、設定保育で子ども達の発達援助も行います。

 

対して幼稚園では、『学習を中心に社会性を養う』など、保育所よりも学習機能が強く押し出されます。

また、小学校受験を目指す幼稚園では、面接の練習やその受験に向けた受験勉強を行います。

保育所でも識字・文字書き・簡単な計算は学びますが、4~5歳の就学直前に行う程度なので、保育士もそこまで細かい学習指導は求められません。

給料

━━平均月収

保育士:214200円

幼稚園教諭:225000円

両者の月収には、『10800円』の差があります。

昇給制度を取り入れている園では、更に差が開く事が予想されます。

年休も幼稚園教諭の方が多いので、やはり待遇としては幼稚園教諭の方が良いと言えます。

参考: 保育士の平均賃金等について(厚生労働省)

保育園と幼稚園、働くならどっちが楽?

保育園(保育所)と幼稚園はどっちが楽かは、入るクラスの月齢によるところが大きいです。

 

幼稚園は一人でクラスを運営しなければいけません。

ですが、3歳~5歳の子ども達が相手なので、言葉での指示も通りますし、コミュニケーションも取りやすい特徴があります。

 

対して保育士は、「0歳~5歳まで」のどのクラスに入るか分かりません。

なので、乳児になれば言葉以外でのコミュニケーション能力が求められます。

ですが、複数担任なので助けも求めやすいですし、お昼寝の時間などもあるのでリフレッシュの時間は十分にあります。

乳児クラスは少人数なので、製作物も量が少なく済むので非常に楽だと言えます。

なので、楽なのは業務的には保育所の乳児クラスなので、『保育所の方が楽』だと思います。

休みが多いのはどっち?保育日数

保育所の保育時間は「基本8時間(※延長あり)」

対して幼稚園は「基本4時間」

となっています。

なんで幼稚園だけ夏休みや冬休みなどの長期休暇があるかと言うと、「幼稚園は保育時間を39週を下回る」と定められているからです。

年休の数も保育士は少ない人で「90日から」

対して幼稚園は「100日」を超えている所ばかりです。

休みが多い方で選ぶなら、断然幼稚園の方がオススメですね。

 

関連:保育士の休み、勤務時間(シフト)、残業の実態から、希望通りの休日の取り方について考える

 

預ける保護者

保育所は、基本的に保護者が働いていなければ入れません。(身体的・精神的な障害で保育が難しい場合も受け入れて貰えます)

入った後に仕事を辞めた場合、保育所側が提示した猶予期間で再就職しなければ保育所を出されます。

ですから、ゆっくりと話をする時間が無かったり、仕事と育児で余裕がない保護者も中にはいるため、家庭との協力を要する事を伝える際には神経を使います。

保護者関係の難しさは保育所の方が上です。

 

対して幼稚園は、働いていない保護者も多いので、お迎えの際にゆっくりと話し合うことができます。

子どもの発達に関して強い関心や拘りを持っている人が多いので、家庭での協力も割として貰いやすいです。

そのかわり、きちんと子ども達に社会性が身に付いておらず言葉遣いや態度が乱暴だったり、成績が芳しくないと保護者からクレームが入る事もあるので気が抜けません。

保育園で働くメリット

━━保育所で働くメリット

  • 基本的な生活補助スキル(おむつ替え、食事補助、沐浴、着替え)が身に付く
  • 子ども達の情緒や発達に合わせた保育を一緒に楽しむ事が出来る
  • 自分に合う月齢の子どものクラスで働ける

 

保育士資格を持っていれば様々な場所で働けますが、やはり基本的な生活補助の技術が求められます。

ですが、これは保育所で働けば自然と身に付けることができるので、それほど心配はありません。

 

また、幼稚園ではどうしても学習に重点を置き、子ども達が就学後に役に立つ知識や運動が求められます。

ですが、保育所では子ども達の発達に合った設定保育を自由に行える魅力があります。

子ども達が自由に保育士の与える設定保育の中で製作を楽しんだり、時にはクッキングを楽しんだりと、幼稚園よりもできることが多いので子ども達の思い出作りになります。

幼稚園では、3歳~5歳の子ども達を預かっています。

プレルームもありますが、ほとんどは午前中のみになるので、アルバイトやパート保育士で賄うことが多いです。

幼稚園で働くなら幼児クラスしか担当できません。

なので、幼児クラスと合わないと乳児クラスへの転向ができる所も、保育所のメリットです。

幼稚園で働くメリット

━━幼稚園で働くメリット

  • 保護者と協力しながら学習や保育を進められる
  • 休みが多く自分の時間を取りやすい
  • 一人でクラスを運営する力がつく、マイペースに仕事ができる

 

保護者が仕事をしていない人や、教育に熱心な人が多いので、家庭との連携・お願いもしやすいです。

そして、前述した様に39週以下の保育時間なので、長期休みもありますし、自分の時間は比較的取りやすいメリットがあります。

そして、一人担任がほとんどなので、自分の好きにクラスの運営を行えるのもやりがいに繋がっています。

仕事も自分のペースで進められますし、子ども達の降園後は自分の仕事の時間なので残業も少なく、気が楽だと言う人が多いのが魅力でしょう。

 

保育所 幼稚園
 厚生労働省  文部科学省
 児童福祉法  学校教育法
 0歳~小学校就学前  満3歳~小学校就学前
 原則8時間以上
(※延長保育あり)
 標準4時間以上
(※延長保育はやっていない所もある)
 0歳は保育士1人につき3人
1~2歳児クラスは1人に付き6人
3歳児クラスは1人につき20人
4~5歳児クラスは1人につき30人以下
 一律35人以下
 子どもを預かる事を主体とし、欠けた保育を施す  学習を主体とし、就学に向けた運動や勉強を行う

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