保育士の休み、勤務時間(シフト)、残業の実態から、希望通りの休日の取り方について考える

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保育士の業務は基本シフト制で、早出は開園から。遅出となると閉園まで残らなければなりません。

行事前となると、準備や打ち合わせがある為、「休みを取る事自体が憚られてしまう」「実際に休みが取れない」という事態も起きていますが、保育士はどのくらいの休みを取れているのでしょうか?

ここでは、保育士達の持つ悩みの中でも、多数かつ深刻な保育士の休み、勤務時間(シフト)、残業の実態について紹介し、満足のいく休みを取る方法について考察しています。

なかなか規則正しいとは言えない保育士の業務の中で、自分の希望する休みを取るための方法について紹介します。
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保育士の休日の現状は?園による休みの取り方の違い

保育士の休みは働いている園によっても異なりますが、1番オーソドックスなのは「週休二日制」を実施する保育園です。

多くの園では「平日に一日、日曜日に一日、祝日」のパターンが一般的な休みになります。

ただ、公立の保育所で働く保育士は公務員扱いなので、週休二日制で「日曜日と土曜日」または「土曜日に出勤する場合は平日一日お休み」になります。

 

大型連休は「ゴールデンウイーク」「お盆」「正月」で、年間休日に換算すると、おおよそ「100日から120日」前後になります。

ただ、祝日や大型連休は必ず休める訳ではありません。

最近は、サービス業に従事する保護者の要望に合わせ、祝日や大型連休でも保育所を開いているところもあり、そのような保育所では保育士同士で交代しながら休みを取るので、多くの一般企業が休みの時でも、保育士の仕事は働く保護者の要望に合わせたものになっています。

しかし、実情としてはまともに休みが取れない保育園も多い

work中には、認可保育所ながらどうしても人が集まらない事、保育方針に非常に力を注いでいる為に定期的な反省会や研修を行う為に年休が少なく設定されています。

一か月の間に絶対に休めるのは「日曜日」だけ。

しかしながら、その貴重な日曜休みも、研修があれば潰れますし、たとえ研修で潰れたとしても振替で休みが貰えることはありません。

日曜日以外にも、公休は月に2日~3日しか貰えないので、月曜日から土曜日まで働き詰めの週が2週もできてしまう事ともあるのです。

数に直すと、日曜日と公休合わせて多くて一か月の間に「6日」の休み、少ないと「5日」程度となってしまう保育園があるのも、この業界の特徴です。

一年通して見ると90日前後の公休しか貰えず、一般企業の平均年休である120日には遠く及びません。

この状況では本当に休めている休日が多いとは到底言えない職場もあるのです。

有給休暇

保育士は、年に10日前後の有給休暇が貰えます。

ですが、実際にその有休を全日消化出来ている保育士はほとんどいないのが現状です。

勤続年数が5年以上になって、ようやく一日使えるかどうかという雰囲気の保育園もありますし、残っている有給は突発的な病欠に使われる事がほとんどという園も多いです。

連休を取りたくとも、現場の忙しさに加えて、周りの目が気になる為に取れない保育士が多いのです。

特に新人の内は、先輩との兼ね合いで、遠慮して休みを自分の思う時に取れない事も多いです。

悲しい話ですが、こういった理由からお互いを監視し、有給を取らせないという雰囲気が保育所によっては漂っており、有給消化率は保育士業界全体がかなり低いのです。

保育士の勤務形態(シフト)について

保育士のシフトは各園によって違いがありますが、オーソドックスなのは「早番、中番、遅番」の3つです。

早番

早番は保育所の開業と子ども達の受け入れが業務で、早い所では6時から、遅い園でも7時までに出勤します。

早番なので朝は早いですが、その代わり、勤務を終えるのは15時前と、帰宅時間もかなり早く、プライベートを充実させたり、自分の仕事の時間に充てる事も出来ます。

中番

中番は8時~9時までに出勤し、17時~18時前後まで勤務をします。

パートや嘱託職員の勤務形態で最も多いパターンです。

遅番

遅番は延長保育と施錠が主な業務です。

勤務時間は19時~20時までで、夜間保育を行っている園では午前3時まで働く事もあります。

残業(時間外労働)の実態について

zangyou保育士は残業が多い仕事です。

実際に、行事の前日は最終チェックまで含めて0時の日付が変わるまで残り、次の日は6時前に出勤するという事もあります。

子ども達が帰ってからは、

  • 保育室の掃除、玩具の消毒
  • 洗濯
  • 玩具の入れ替え(発達に合わせた玩具の提供を行う為)
  • 絵本の選出
  • 壁面などの保育室環境の改善
  • 模様替え(コーナー保育を行っている園では子ども達の飽きや発達に合わせて行う為)
  • 週案の作成・記入
  • 月案に書く内容をまとめる
  • 翌日の設定保育の打ち合わせ
  • 子ども達の様子の情報交換

ざっくり思いつく業務を挙げてみても、これだけやらなければならない仕事がありますし、行事前にもなれば、ここに準備も入ってくるので、やりがいはあれど大変ですね。

子ども達が日中いる時は、子ども達が最優先になるので、上記の業務は基本的には一切出来ません。

自分の業務が終わってからようやく取り掛かる事が出来るようになるので、必然的に残業をせざるを得ない環境に置かれてしまうのです。

 

更に保育士を苦しめているのが「持ち帰りの仕事」です。

月案は30人近くの子ども達の情報を書き記し、翌月からの目標も書きますが、残業だけではとても間に合いません。

休みの日や家に帰ってから仕事をせざるを得なくなります。

これで残業代が出れば納得出来ますが、多くの園で規定の残業代以上は出ないので、その規定から外れれば全てサービス残業となってしまうのです。

勿論家での仕事は評価対象外になるので、実質はサービス残業だらけです。

保育士が満足のいく休みを得るにはどうすればいいのか?

yasumi「有給の消化率を良くし、残業はした分だけお金として還元して欲しい」

これが、全ての保育士の願いですが、満足のいく休みを取るためにはどうすればいいでしょうか?

まずは、さりげなく先輩保育士達へ有給の取り方について聞いてみて、何年目から有休を比較的自由に使えるのか探りを入れて、他の先生たちはどうなっているのかを把握することが大切です。

 

また、自分から休みの取りやすい勤務形態に変更する(時間融通の利くパートやアルバイト契約など)という手もあります。

嘱託職員よりも、パート職員の方が早く帰れますし、責任のある仕事は、いずれ正社員を目指す嘱託職員へと任される事も多いので、残業や持ち帰りの仕事も激減します。

 

また、年間休日の多い保育園に転職するのも働きやすくする一つの方法です。

保育士は専門資格が必要となる仕事である上、全国どこでも保育士不足に喘いでいるので、今の転職しやすい状況を利用し、自分の理想の園へ転職するのも良い選択です。

現在は保育士を対象とした転職サイトも数多く存在しており、こういった転職サイトでは、希望する条件を伝えれば、それに合う園を紹介し、転職までを全てサポートしてくれるので、仕事をしながらも、好条件の園を逃す心配がないのです。

また、「休日以外の条件は全て満たしているのに、休日日数だけが希望する条件よりも少ない」という場合は、先方へ条件の交渉も行ってくれます。

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給与や待遇というのは、自分でなかなか言い出せませんが、保育士求人サイトを通じての転職活動であれば、担当者が園とあなたの間に入って交渉してくれるので、自ら働きやすい環境を作り出すことも可能です。

保育士の処遇改善の動きは徐々に広まっており、残業代をきちんと出してくれる所、有給消化を推奨してくれる所も存在しています。

最初から『保育士業界はこんなものだ』と諦めないでください。

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