「もしかしたらうつ病かも?」実体験から伝える!保育士のうつ症状と改善策

IMG_3219

この記事は、うつで休職した保育士が実体験を含んだ内容と、自分で調べた内容や、医師から教えてもらったアドバイスを元に執筆しています。

「もしかして、わたしってうつなのかも?」と思い悩んでいる保育士さんに、ぜひ見ていただきたい内容になっています。

  • 夜、なかなか寝付けない、眠りが浅い
  • 朝の支度に時間がかかる
  • 出勤している最中に涙が出そうになる
  • 出勤前になると吐き気がしたり、胃痛、腹痛や下痢がある

最近仕事が忙しく、こんな症状が出ているなら危険信号です。

セルフチェック表も作成しているので、今仕事が辛いと思っているなら、じっくり読み進めてみて下さい。
スポンサーリンク

保育士という職業はうつ病になりやすい?

厚生労働省のデータ「精神障害の労災補償状況(平成27年度)」によると、『医療・福祉分野の精神障害(うつを含む)の労災補償請求件数』は、ワースト1位となっています。

精神障害請求件数の多い職種の15位には、「社会福祉専門職業従事者」が含まれています。

このデータから、保育士の仕事も福祉系の専門職であることや、時間外労働が多いことから、精神疾患を抱えやすい仕事であることが想定されます。

元々、うつになる人は「真面目で責任感の強い人」がなりやすいと言われています。

真面目な性格ゆえに、仕事とプライベートの時間の境目がなくなりやすく、急速時間が十分に取れなくなり、疲労から自律神経が乱れ、脳の中のホルモン分泌が悪くなってしまうことがあるのです。

 

また、保育士の仕事は、激務である上に、仕事量も多く休日は持ち帰り仕事でつぶれてしまうことも少なくありません。

行事も多いので、1年中行事に追われていますし、行事の準備に加え、書類の作成にも時間がかかることも多いです。

こうした労働環境や保育士独特の仕事内容から、保育士はうつ病になる人が多いのでしょう。

こんな症状に注意!保育士によく見られるうつの身体的・精神的症状

やる気がわかない

  • 仕事への情熱がなくなった
  • 前向きに行動しようとする気分が湧かない
  • 仕事だけでなく、プライベートで楽しめていたことも楽しめない
  • 人と会うのがおっくうになった
  • 外に出かけたりすることが面倒
  • 何もしたくない
  • 仕事しなくちゃと思っても、気力がわかない

こんな状態が長く続いている方は要注意です。

思考力、判断力の低下

  • 記憶力が低下したように感じ、同じことを何度もくりかす
  • 人からの指示を忘れたり、理解できなくなり、何度も聞き返す
  • 何度もミスを繰り返したり、同じような間違いをする
  • 保護者からの伝達事項を伝え忘れる
  • 誰から言われたのか忘れる
  • 同じ失敗をくりかえして先輩から注意を受ける頻度が上がった

全体的に今までできていたことが、できなくなってきたと感じている方は要注意です。

常に不安を感じる、イライラする

  • 何をしても自信が持てない
  • 焦ったり、わけもなく不安になったりすることが増えた
  • 人が集まっていると、すぐに自分の悪口を言われているような気分になる
  • 人の不快な表情が自分に向けられているのではないかと感じる
  • ちょっとしたことをきっかけにイライラしたり、腹が立ったりする
  • 同僚や後輩保育士のミスがいつも以上に腹が立つ
  • 人間不信に陥ったりすることが増えた

前よりも不安感やイラつくことが増えたと感じているなら要注意です。

食欲減退、過食など、食事の摂取量がいつもより大幅に変わる

  • いつも食べられていた食事の量が食べられない
  • 食事自体摂りたくないなど、食欲不振が起こる
  • いつも以上に食べても満腹感や満足感が得られない
  • チョコレートやケーキなど、甘い物を過剰に食べたくなる
  • 脂っこいものなどを食べすぎたりするような偏りのある食事を好む

いつもの食事の量と大幅に変化がみられると要注意です。

全身が鉛のように重くなる、だるい、行動がゆっくりになる

  • とにかく体がだるい
  • 体に重りをつけているかのようにゆっくりとしか動けない
  • 朝の支度にいつもの倍近く時間がかかってしまう
  • 動きが緩慢になってしまう
  • 保育中の子どもの安全面に配慮しようとしても、とっさに体が動かない
  • 保育の準備に時間がかかってしまう

頭が働いてない感じが続いている感じがするのは要注意です。

うつになると、どのようなことも悪い方へ考えが傾いてしまう

うつ病になると、自己肯定感が下がります。

これは、脳の中のホルモン分泌が上手くできなくなり、幸福感や満足感が得られなくなってしまうためです。

自分のミスが許せなくなり、自分の存在さえ否定するようになってしまいます。

そのため、

「どうせ自分なんて」

「自分さえいなければうまく回るのでは」

「自分が死んでしまったらみんなが幸せになるのでは」

という、ネガティブな方向へしか物事を考えられなくなってしまうのです。

【実体験】うつと診断された保育士の口コミ

保育士にとって行事担当は緊張の連続です。

ある行事前に、夜遅くまで準備で残業をした後、家でも制作や明日の保育の準備をするために1週間ほど徹夜が続いていました。

行事本番になって、子どもたちの前で進行係を行っていると、緊張して真っ白になってしまい、どうして良いのか分からなくなってしまいました。

舞台の上で何を話して良いか、分からなくなって立ちすくんでしまい、しばらくしてから他の保育士が助け舟を出してくれたので、行事はどうにか終わることができました。

心配してくれる先生もいましたが、後からチクチク言ってくる人もいて、すごくその時間が苦痛でした。

その夜から、布団に入っても眠れなくなり、眠っても嫌な夢しか見ず、夜中に何度も起きてしまうことも増えてきました。

朝もだんだん起きられなくなるようになってきて、とうとう遅刻。

家族の勧めもあり、心療内科に行くと、「うつ病」の診断をもらいました。

今は休職していますが、いつかは復帰しないといけないと考えると、気持ちが沈んでしまいます。

セルフチェック項目|14の質問

うつ病かどうかを病院で診察する前に、まずはセルフチェックをしてみましょう。

 

  • 「はい」を3点
  • 「どちらでもない」を1点
  • 「いいえ」を0点

 

でカウントします。

 

うつ病セルフチェック表

  1. 疲れやすくなった、体がだるい、または重く感じることがありますか。
  2. 気分が落ち込んだり、重く感じたりすることがありますか。
  3. 音楽を聴いても楽しめなくなっていませんか。
  4. 午前中、特に気分がすぐれずやる気が出ないことはありませんか。
  5. 首や肩の凝りや痛みを感じることはありませんか。
  6. 頻繁に頭痛がすることはありませんか。
  7. なかなか寝付けない、朝早くに目が覚めてしまうことはありませんか。
  8. 食欲があまりなく、あまり味がしないように感じませんか。
  9. テレビを見ても面白いと感じることがすくなくなっていませんか。
  10. 息がつまったり、胸が苦しくなったりすることがありませんか。
  11. 物が飲み込みにくい、のどに違和感を覚えることはありませんか。
  12. 仕事の効率が下がった、おっくうに感じることはありませんか
  13. 自分の人生はつまらない、自分がいなければよかったと感じることがありますか
  14. 自分は几帳面で真面目だと思いますか。
  • 合計で28点以上
  • または「はい」の数が半分以上ある

わたしは医者ではありませんが、経験上、この場合はうつ病の可能性が少なからずあると思います。

自分自身で「今が深刻な状態」だと感じているなら、一度、心療内科を受診されることをおすすめします。

 

関連記事:保育士を辞めるのに最適な時期・タイミングはいつ?

保育士がうつ病にならないために気をつける重要ポイント4つ

『寝る』睡眠時間は削らない。徹夜は絶対にしない

睡眠時間は身体の休息時間だけではなく、脳にできた細かな傷を修復し、記憶を整理する時間です。

睡眠時間を削って仕事をすると、興奮したようなハイテンションになる経験をしたことはありませんか?

興奮状態が長く続くことで、副交感神経を働かせるセロトニンの分泌に影響を与えてしまい、不眠につながってしまうという悪循環を生みだします。

入眠前には自律神経が副交感神経優位にならないとリラックスできず、より深い睡眠を得られません。

睡眠時間を削ることは、身体と脳の疲労の回復を遅らせるうえ、気持ちにもダメージを与えてしまうのです。

『休む』何もしない休日を週に1回必ず意識的につくる

体と心をリフレッシュさせる意味でも、「何もしない」「1日ゴロゴロしている」という日を意識的に設けるようにしましょう。

休日は、できるだけ仕事のことを考えないようにします。

やるべきことがあって気になる場合には、スケジュール帳などに記載しておき、頭の中から仕事のことも考えないようにします。

「でも1日もはとてもじゃないけど難しい」と思うなら、数時間だけでも何もしない時間を作るだけで、かなり違ってきます。

『食べる』食事は3食、偏りなくバランスよく食べる

食事を3食きちんと摂ることはもちろんですが、食事を摂る時間や栄養バランスにも配慮するようにしましょう。

食事を摂る間隔が長くなりすぎると、低血糖状態になりやすく、イライラしてしまいます。

鬱っぽいかなと感じたら、食事のバランスも見直す必要があります。

とくに「ビタミンB6、B12」が不足すると、うつ病の気分の落ち込みや不安感、意欲の低下、不眠、頭痛などの症状を起こしやすくします。

ビタミンB6は神経伝達物質の生成を促進してくれるので、積極的に摂取しましょう。

これらの栄養素は、『玄米、納豆、果物、青海魚、野菜』などに多く含まれているので、これらの食材を取り入れた食事を摂るように心がけましょう。

『遊ぶ』好きなことや趣味を楽しむ

自分が好きなことをしている時間や趣味をする時間は、心から楽しめる時間となり、心のバランスを取る上で大切です。

好きなことや趣味に没頭している時間は、保育園での仕事のことを忘れ、没頭できる時間になるので、ストレス発散になります。

好きなことを楽しむことで、心のゆとりが生まれ、自分の生きがいを感じることがうつ状態から脱出する上で非常に大切と言えるでしょう。

その他に気をつけたいこと

職場の人とプライベートな時間で会うのは1~2か月に1回程度

同じ保育園で働く保育士と外で会うと、ついつい仕事の愚痴を話してしまうことが多くなりがち。

愚痴を言うのもストレス発散になりますが、同じ職場のメンバーと会うことで職場の環境から離れられない状態にも陥ってしまいます。

気心知れたメンバーであっても、悪口は噂話を作り出す材料になることもあります。

また、同期の他の保育園の保育士と会っても、愚痴の言い合いになることがよくあるので、気分が落ち込んでいる時に会うのはおすすめしません。

保育業界以外の人と会う時間も作る

保育士業界は独特の風土を持っているので、一般的な社会常識とは違う点も多いです。

同じ職業以外の人と接点を持つことは、あなたの世界観を広げてくれます。

社会人として、また世の中の流れなどを知る上でも、保育業界以外の人と会うことも大切です。

いつもより子どもたちとのスキンシップや会話を楽しむ

保育士の仕事は大変ですが、子どもたちとの何気ない会話やスキンシップで癒される瞬間もあります。

「疲れてきた」と思ったら、子どもたちとハグしたり、手を繋いだりしてスキンシップを楽しみましょう。

子どもたちの笑顔を見ると、こちらも自然と笑顔を取り戻せることもたくさんあります。

子どもたちから元気のパワーを分けてもらうようにしましょう。

うつ病かな?と感じたら素直に休むことが大事※休職も視野に入れよう

頭痛や腹痛などの体調に強く症状や、不眠や不安感が強く出ている場合は、「体調改善の薬、精神安定剤、睡眠導入剤」などを、症状に応じて医師から処方してもらえます。

症状が軽い場合は、これらの薬を服用しながら仕事をすることもできますが、できれば無理をせず、一度生活リズムを整えるためにも休職することも視野に入れて下さい。

  • 体調不良が続いている
  • 眠れない
  • 体調の不調を2週間以上感じる
  • 気分が落ちていて、なんかやる気が出ない

などの不調がある場合は、早めに園長や主任に相談して、心療内科を受診することを伝えておきましょう。

クラス担任をしてると、なかなか休むという選択肢を選べないこともあると思いますが、無理をして体を壊してしまったら意味がありません。

もしも、休職する場合は、医師の診断が必要になるので、診察の際には「診断書」を書いてもらうようにしましょう。

あなたらしさと笑顔を取り戻そう

保育士は激務なうえ、複雑な人間関係からストレスもたまりがちです。

体調が悪いまま保育をすることは、万全な保育を行うことが難しく、子どもたちと笑顔で過ごすことができなくなってしまいます。

笑顔で過ごすことを取り戻すだけでなく、自分自身を取り戻すためにも、「もしかして私は鬱なのかも!?」と思うところがあるなら、できるだけ早めに医師の診断を受けたり、休職してゆっくり休むことも検討しましょう。

関連記事:保育士から転職する時に役立つ求人サイト

関連記事:別の保育園の求人を探す時におすすめの求人サイト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページ上部へ戻る