
「正規担任が辞職をしてしまった際に空いた穴を埋める」
「クラスが落ち着かずに加配の保育士が欲しい」
「設定保育などの手のかかる時間だけ動ける保育士を増やしたい」
こんな時に活躍してくれるのが「フリーで働く保育士」です。
フリー保育士は名前通りクラス担任を持たず、必要な時間に必要なクラスへ入る存在です。
現場の保育士からは重宝される存在ですが、決して楽な仕事ではありませんし、フリーならではの悩みもあります。
この記事では、フリー保育士の立ち位置や仕事内容、悩みや実態まで詳しく紹介していきます。
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フリーの保育士が任される仕事内容や立ち位置について
どうしても細かく一人ひとりを見る事が難しく、正規担任では手が回らない部分が出てくるので、それをフォローするのがフリーの保育士の役割です。
仕事内容は正規担任の補助として、絵本読み、寝かしつけや、幼児クラスでは、遊びの把握・発展、喧嘩の見守り・仲裁、設定保育の補助、食事の指導が条件になります。
正規担任は全体の進行を行うので、子どもの見守りの時は全体を見ておかなければ保護者に何か聞かれた時にすぐに返事が出来ません。
そのためにフリーで働く保育士が活躍するのです。
また、行事の前になると行事準備は正規担任が中心に行われますが、フリー保育士はその間クラスの把握を任されるので、行事の準備などにはほとんど関わらないのも特徴です。
正規担任や補助担任にならずに保育士として働くメリットは?
正規担任はクラスの中心としてリーダーシップを取り、仕事をします。
正規担任の仕事はこんなに多い
「保護者へのクラス便り、週案・月案・設定保育、壁面制作、玩具の管理・消毒・選別、絵本選び、クラスの大まかな流れ決め(※各年齢で必ず達成する目標を作っている園では、その目標を達成する為大まかな流れを主任保育士と話し合います)、行事の準備、アルバム作り、部屋の配置決め」
など数多くの仕事があり、日中は子ども達の把握や連絡帳の記入、設定保育で上記の仕事は出来ません。
なので、子ども達が降園してから、自分の勤務が終わってから、または家に帰ってから仕事を行います。
特に生活発表会など衣装を必要とする行事では、30人近くの衣装を全て手作りしなければいけないので、普段の業務に加え更に忙しくなります。
しかし、フリー保育士は特定のクラスを持たず、様々なクラスに入るので、特定のクラスの仕事を残業や持ち帰りしてまで手伝って欲しいと言われる事はほぼありません。
定時に帰れて、家に帰っても自分の時間を確保出来るので、フリー保育士は人気があるのです。
また、全年齢の子どもと接する事が出来るのもメリットです。
全ての年齢の子どもと接する事で経験も積めますし、仮に転職する時にフリー保育士をしていた事、全年齢の子どもと接する事が出来るとアピール出来るでしょう。
フリー保育士は辛い?現場で抱える悩みとは?
フリー保育士は体力面で辛い事はありません。ですが、毎日クラスが変わる事もあるので、特定の子ども達と深い信頼関係を作るのが難しい面があります。
また、クラス担任をしていれば、話し合いと通して段々と団結していきますが、フリー保育士はその話し合いに入れず、どのクラスとも距離が出来てしまい、疎外感を感じる事も多いです。
行事でも、フォローを任される事はあっても、クラス担任ではないので、主になって動く事もなく、どのクラスを応援するべきなのか分からずに溶け込めないという意見も聞かれます。
また、園によっては「正規担任の補助」という名目ながら、手の回らない掃除を中心に任される所もあるので、子どもと接する時間よりも雑務をこなす時間の方が長くなってしまう事もあります。
それぞれのクラスで細かく子ども・保護者への接し方を決めていても、フリー保育士は全てのクラスの細かい決まりまで把握するのは不可能なので、悪気はないながらもその決まりを破ってしまう事もあります。
その際に周りの保育士へ申し訳ないという負い目を感じたり、肩身の狭い思いをするのが辛い人も多いです。
しかし、フリーで働いてくれる保育士がいなければ現場は回りません。
正規担任と立場は違えど、フリーならではの重要な役目があるので、重要度の高い仕事です。
正規担任もフリー保育士のフォローはしてくれますし、保育士不足が深刻な現在多くの求人が出されています。
フリー保育士の求人の状況と需要について
フリー保育士としての求人は、転職サイトに必ず掲載されており、非公開求人の中にも求人は沢山あります。
全年齢に対応出来る、どこにでも入れる保育士というのは需要が高く、突然担任が病欠・辞職してしまった時の穴埋めも任されるので、多くの園がフリー保育士を欲しています。
業界大手の保育士バンクでは『フリー保育士』と入力してみると、契約社員・パート・正社員登用と全ての雇用形態のフリー保育士の求人を取り扱っています。
担任補助を行う役割の人、雑務中心に園全体のクラスの把握を行う人など園が募集している理由は様々なニーズがあるのです。
現場で正規担任を支える心強い存在で、求人も数多く出されており、非正規だけでなく、正社員求人もあるので、もっと自分の保育技術を向上させたい人や、なるべく残業や持ち帰りの仕事をせずに自分の時間を大切にしたい人は是非転職サイトを駆使して条件の良い所へ就職・転職してみてください。
フリーの保育士はこんな人に向いています
・全年齢の子どもが好き
フリー保育士はどのクラスに配置されるか分かりません。
時には気になる子ども(※発達障害など何らかの障害を持つ子ども)の補助役として「加配保育士」として配置される事もあります。
乳児が好き、幼児が好きと細かな年齢に拘っている人よりも、子ども全般が大好きだという人の方が向いています。
・向上心がある
フリー保育士は全年齢の子どもが相手になるので、全年齢の子どもの接し方を知っておかなければいけません。
しかも、一人ひとり性格も違うので、その個性をなるべく理解してすぐに対応出来る臨機応変さも必要です。
そして、足りない知識を補おうと前向きに努力する姿勢も必要なので、向上心を持ち続けられる人が向いています。
・切り替えが早い
フリー保育士はなかなか同じクラスに留まる事が出来ず、子どもの性格やそのクラスの決め事を知らない内に破る事もあります。
そこで、正規担任の保育士に注意をされたり、失敗をしてしまう事も多々あります。
その時に落ち込まず、『次はしないようにしよう』と自分の糧にしてすぐに切り替えられる人が向いています。
正規担任から注意される事が多く、つい『自分は必要なのか』『役に立っているのか』と不安に思う人も多いですが、気にする必要ありません。