施設保育士の求人探しや仕事内容の違い、給料、役割について

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保育士資格を活かして働ける場の1つに「児童入所施設」「通所施設」など、施設で働く保育士がいます。

施設と言っても数は多く、種類も多岐に渡りますし、児童養護施設では、保育士資格を持っている人だけに限らず、保育士資格を持っていない人でも働く事が出来る為、保育資格を保有する人としない人で衝突が起きやすく、人間関係が複雑化しやすい場所でもあります。

この記事では、施設保育士の中でも、特に親としての役割も求められる「児童養護施設で働く施設保育士」に絞って紹介しています。

児童養護施設で働く施設保育士の仕事内容や、給料、役割、就職先などについて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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児童養護施設で働く保育士は「親に近い役割」を求められる

00adba1f2039f067fbee0a669a6e454f_s児童養護施設に来るのは、2歳~20歳までの何らかの理由で保護者が養育出来ない子ども達です。

養育出来ないのには色々な理由がありますが

 

  • 身体的・心理的虐待
  • 貧困
  • 保護者の病気
  • ネグレクト

 

というような理由で、多くの子ども達が、保護者からの愛情を受ける事が出来ずに施設に預けられており、虐待を受けた子ども達は、心にトラウマや深い悩みを抱えています。

そういった子ども達の気持ちを受け入れて、徐々に心を開かせて自活の道へと導くのが児童養護施設で働く保育士の役割です。

何よりも求められるのは、「寂しい気持ちを受け止め、寄り添う」という役割です。

子ども達にとっては、少しの間でも自分達を産み育てた保護者こそ「親」です。

そのため、入りたくもない施設に入れられた事で、最初は保育士を「敵」だと認定する事もあります。

ですが、そこから時間を掛けて信頼関係を築いていき、保護者が教えるべき対人関係の築き方、愛情の注ぎ方、社会的なルールを教えていくのも施設で働く保育士の重要な役割なのです。

児童養護施設で働く保育士の仕事内容は?

主となる仕事内容は、「子ども達の生活支援、環境整備」です。

施設に来た子ども達の中には、保護者から箸の持ち方すら教えてもらった事のない子どもも存在します。

食事の食べ方から始まり、整理整頓、挨拶など、生活に必要最低限な知識を1から教えていきます。

 

そして、子ども達が生活する環境を常に清潔・安全な空間に維持する事も求められます。

保育所と違うのは、幼稚園・就学児の子ども達の通う幼稚園・学校との連絡を取ったり、行事に参加をする事に加え、進路相談なども行う所です。

また、保護者の元へと子どもが戻った際に、親子関係が築ける様に面会に立ち会ったり、保護者・子ども両方の不安を受け止めて相談に乗ります。

 

勤務面でも普通の保育所と違い、入所施設なので「夜勤」があります。

前日の15時前後から入り、学校から帰って来た子ども達の受け入れ・連絡帳チェックを行い、夕食・入浴の見守り、宿題の確認、夜勤中は子ども達が寝入っているかの見守り、施設内の清掃、自分の仕事を行う合間に2~3時間の仮眠を取りつつ翌朝の8~9時まで勤務します。

夜勤は多くの施設で一人または二人などの少人数体制になるので、責任も普段より重くプレッシャーに感じる人も多いです。

 

施設保育士の給料事情は?

施設保育士の月給は、基本給が低い所で15万~、高い所になると17万~設定されています。

平均も大体そこで、16万~17万の基本給が施設職員の平均給与・平均求人提示額です。

総支給額になると、ここに夜勤手当など、各種手当が入るので、総支給で「20万円から25万円」前後。

手取りになると、最低でも「17万~18万」は必ず貰える計算です。

無認可の保育所などでは、正社員登用・嘱託職員登用自体がないので時給制度である事に比べると、安定した良い待遇です。

認可保育所でも、大体どこの園の求人を見ても基本給が17万前後に設定されているので、保育所で働くよりも、夜勤がある分施設保育士の方が高い給料を貰えます。

児童養護施設で働きたい保育士が気を付けるべき点

・子どもを甘やかしすぎない

どの施設にも共通しているのは、最終的には子ども達の自立を目指しているという点です。

子どもが何かするよりも、職員が手伝い手早く済ませれば時間短縮になります。

しかしそれでは子どもの為になりません。子ども達の自立を促す為にも、見守る事も覚えましょう。

 

・感情移入し過ぎない

施設には様々な子どもがいます。生まれてすぐに乳児院に入った為に、名前すらなかった子どももいます。

保護者の中には引き取る事に消極的な人もいるので、『親は子どもを無条件に愛しているものだ』という先入観で保護者にその気持ちを押し付けたり、子どもが可哀想だと入れ込まずに一線引いて物事を考えられる存在が求められます。

 

・試し行動に耐えられる

普通の保育所でもありますが、施設では5歳以上の子ども達もいる事から分かる様に試し行動がかなり激しいです。

子ども達は寂しい故に試し行動をしているのだと理解し、受け入れる器量がなければいけません。

施設保育士の就職先一覧と施設の特徴

・乳児院

0歳~2歳までの子ども達を預かる施設です。

保育士は子ども達の生活補助、設定保育を行います。保護者がいる子どもの場合、保護者と子どもの関係作りの手伝いもします。

24時間の介護を要する重度心身障害や肢体不自由児以外の障害児も入って来るので、障害児対応も必要です。

 

・児童養護施設

2歳~20歳までの保護者と離れた子ども達が入ってきます。

子ども達の生活援助や学校との連携、保護者と子どもの関係性の支援が仕事です。

子ども達の中には面会の回数に僻んで喧嘩やいじめなどが起きるので、敏感に子ども達の気持ちの変化を察知する事が求められます。

 

・児童自立支援施設

非行や家庭環境が原因で補導された子ども達の生活を更生する施設です。

非行児が対象であり、発達障害を持っている子ども達も入って来るので知識と対応が求められます。

脱走が多いので、子ども達の様子をよく見ておかなければいけません。

 

・知的障害児施設

就学児~原則18歳までの子ども達を預かる施設です。

知的障害の中でも障碍者手帳を持つ子ども達が対象となります。

最近では障害を重複して持っている子ども達も増え、精神疾患や身体的な障害への理解・対応も求められています。

 

・肢体不自由児施設

肢体に障害を持つ子ども達の集まる施設です。

対象は就学児からでしたが、最近では2歳~3歳の子ども達への受け入れもしています。

肢体不自由の成人施設が定員で埋まり、行き先がない為に成人を過ぎても施設に残る人もいるので、成人またはそれ以上の相手への接し方も求められます。

乳児院の求人探し・給料・配置基準について

施設保育士の求人の特徴と効率的な探し方

施設保育士の求人の探し方は難しく、なかなか自分で施設に電話を掛ける勇気は出ませんし、働いている人は職業安定所に行く時間もなく、施設保育士の求人を見つける自体が難しいと感じている人も多いのではないでしょうか?

施設保育士の求人探しは、

  1. 職業安定所で検索をする
  2. 施設へ直接電話をかけて求人がないかを確認する

この求人の探し方が一般的な認知だと思います。

 

ですが、ピンポイント、かつ効率的に施設保育士の求人を探すなら保育士の転職サイトを活用するべき。

保育士の転職サイトは保育所の取り扱いしかないと勘違いされていますが、そんな事はありません。

最近では、利用者の需要に合わせて施設の求人取り扱いもどんどん増加しています。

 

しかも嬉しいのは、自分が働きたい希望の環境を細かく聞いてくれた上で、職場の人間関係が良好かどうかまで調べてくれるところ。

実際に施設に出向き、働く職員に労働環境や、前任者の離職理由を調べてくれるので、入ってから人間関係やトラブルで再び転職をしなければならない事も少なくなるのです。

保育士転職サイトの中には、児童養護施設だけではなく、乳児院、院内保育、発達支援センター、障害児施設と幅広く施設保育の保育士求人を多数紹介している転職サイトもあり、中でも保育士バンクは施設保育の保育士求人を探すのに適した転職サイトになります。

施設保育の求人を探しているなら、まずは保育士バンクに登録(※無料です)して、求人を探してみましょう。

arrow保育士バンクを見てみる

 

施設は人手不足が深刻で、保育士資格を持っていなくても就職する事が出来ます。

その為、保育士資格を持つ人・持たない人で派閥が生まれたり、資格を持つ人が後から入ったにも関わらず、先に昇進するなどの理由から疎まれ、いじめが発生する事もあります。

自分一人では施設内の人間関係までは調べる事が出来ないので、保育士の転職サイトに登録した上で自分の希望の園を探して貰った方がいいでしょう。

また、夜勤の回数が不安だという人は、保育士の転職サイトに登録すれば専任のコンシェルジュが付いてくれて、転職の際に園側へと夜勤の回数など交渉を行ってくれるので、こういったサービスも積極的に活用するようにしましょう。

施設保育士として7年働いて実感したやりがいと大変さ

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保育所に子どもを預ける保護者に求められるのは、集団保育ではなく自分の子どもに合った接し方をしてくれる保育士の存在です。

私はその必要な事を7年間施設保育士で働く中で、2歳~20歳まで様々な子どもへ合わせた接し方を試行錯誤する中で身に付ける事が出来ました。

夜勤の間は見回りと消毒・掃除以外はやる事がないので自分の仕事を進める事も出来、残業は行事前以外ほとんどしなくて良かったです。

また、夜勤明けの日は休みになるので、ゆっくりと休めましたし、自分の時間は作りやすかったです。

指導した子ども達が施設を卒園し、家庭に戻ったり自立していく姿を見ると、やりがいも非常に感じました。

 

しかし、夜勤が入るとどうしても昼夜逆転の生活になってしまう日が出来、不眠症に陥ってしまったり、ホルモンバランスが崩れて生理不順を起したりと体調を崩す事も増えました。

保育士の支援不足で保護者と子どもの関係がなかなか上手く行かず、引き取るに至らなかった事などもある為に、常に勉強を欠かせない仕事でもある為、7年働いても慣れるという事は一切ありません。

年齢を重ねると、やはり自分のライフステージも進んでいきますし、結婚や出産を考えた時に体力・気力の必要となる施設職員は高齢になるほどハードではありますが、施設保育で働くなら絶対に正社員として採用してもらえる施設を選ぶようにしましょう。

その理由は、パートやアルバイトで採用されると「雑務」が中心になるので、子どもたちとの関係も中途半端になってしまったり、何より信頼関係が築きにくくなり、やりがいを持ちにくくなってしまうからです。

これから就職・転職を考えているなら、児童養護施設にいる子ども達は非常にデリケートだということを覚えておくといいでしょう。

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