子どもと接することが好き、可愛い子どもたちに囲まれて笑顔で働きたい。
そんな思いを胸に保育士になった方も多いのでしょうが、気持ちよく働き続けられるかどうかは、保育園次第でもあります。
せっかく夢と志を持って保育士になった皆さんには、ぜひ働きやすい保育園かどうかを見極めて選択していただきたいので、保育方針、勤務条件、人間関係など、現役保育士がおすすめする働きやすい保育園の選び方のポイントについてご紹介します。あなたが輝ける保育園に出合えますように。
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現役保育士が教える!働きやすい保育園の選び方のポイント
保育園に関する情報を集めよう
保育園とひと口に言ってもその形態は様々で、大きく分けると
- 「認可保育園」自治体の認可を受けた(市町村運営、民間委託)
- 「認可外保育園」(会社、個人経営)
の2種類があります。
「認可保育園」では、民間委託の方がサービスがきめ細かく、保育内容もバラエティに富む印象がありますね。
一方、「認可外保育園」は、夜間・休日保育等、保護者のニーズに応じて認可保育園を補う保育を担っており、1名の保育士が夜勤で多数の乳児を受け持つなど、劣悪な保育環境が問題視される園があったり、自治体の基準を満たしていても、独自の保育をするためにあえて「認可外」を選ぶ園長さんもいたりと、内容はそれぞれ異なります。
まずは、あなたの希望する勤務条件を整理し、こんなところで働いてみたい!という保育園の情報をなるべく多く集めましょう。
評判の悪い保育園は避ける
保育園の評判を調べるには、ネットで「○○保育園」と検索して口コミを調べたりする方法もありますが、検索で口コミが出てくる保育園はごく一部なので、まずは保育士求人サイトの担当者に園の情報を直接聞いてみることをおすすめします。
保育士求人サイトの担当者は、色々な保育園に足を運んでいるので、園の雰囲気や具体的な人間関係、園長先生と話した感想など、具体的な情報を持っているケースも多いので、長く働きたいと考えているなら、できるだけ評判の悪い保育園は避けるべきです。
また、保育士仲間の口コミも重要な情報源になります。
保育士求人だけでなく、事務員、調理士を含め、求人が頻繁に出ている園は、応募は避けた方が無難です。
このような求人を頻繁に出している保育園というのは、先生の入れ替わりが激しいことが用意に想像できますし、常に人材を補てんしないといけない状態が続いている可能性が高いのです。
まずは、自分の転職・就職に関して絶対に外せない条件を決めて、その条件に合う保育園が見付かれば、電話で予約を入れて足を運んでみましょう。
できるだけ多くの園を見学できると、より良い園に出合う確率が高まるので、面談だけでなく、必ず「施設見学」をさせてもらうのも働きやすい保育園を見つけるポイントになります。
園長先生の人柄・保育方針の把握
どの職種でも、職場の雰囲気を決めるのは「トップの人間性」が大きく作用するので、施設見学時や面接時には園長先生としっかりお話しさせていただいて、その人柄を感じ取りましょう。
「こちらの園では、保育においてどのようなことを大切にしていらっしゃいますか?」
「保育士に対してどのような資質をお求めでしょうか」?
「園長先生はどのような思いで保育士を志されたのですか?」
等の根幹にあたる質問というのは、園の保育方針と共に、園長先生の保育に対する価値観を知ることにも役立ちます。
率直な思いをやり取りし、コミュニケーションを深める中で、人柄が見えてくるので、たとえ立派な保育方針を話していても、高圧的な態度であったり、表情が険しい場合は、要注意でしょう。
面談の際に同席した主任さんや、通りかかった保育士との会話や接し方も働きやすい保育園かどうかを判断するのにとても参考になります。
園長先生の資質には、凛とした姿勢の他に
- 誠実さ
- 柔軟性
- ユーモア
- 新たな意見に耳を傾ける
- さまざまな価値観の保育士たちをまとめる度量の深さ
が必要です。
トップに立つ人間が、ここが欠けているのが目立つと、凝り固まった考えの下で働かなければならないので、正直窮屈だし、仕事もやりにくいのです。
働く保育士の年齢
また、保育士の年齢層も聞いておくと、どのような状況なのかの判断もつきやすくなります。
新卒から3年目くらいまでの先生が大半ならば、入れ替わりが激しいという事でもあるので、勤務が長続きできない職場であることが想像されます。
できれば
- 若い世代
- 子育て世代
- ベテラン世代
と、さまざまな年齢層が勤めているのが理想です。
色々な年代の保育士が混在してるのが、切磋琢磨できる環境でもあり、長く勤められる職場ではないでしょうか。
勤務条件(給与、賞与、勤務時間、休日、社会保険、有給休暇)の確認
給与、賞与、勤務時間、休日、社会保険、有給休暇など、待遇についてはよく確認しておきましょう。
聞き忘れがないように、質問事項をメモして行くのがお勧めです。
保育園によっては、サービス残業や仕事の持ち帰りが当たり前になっているところもありますので、気になる点は、臆せず率直に尋ねましょう。
そして、勤務条件を聞く時はメモを取ることが大切です。
文字に残す姿勢を見せることで、説明する側も襟が正され、誠実に話す必要が出てきます。
万が一、勤務が開始してから待遇が違った場合でも、行政窓口に相談する際などに、そのメモが力になります。
仕事の悩みや相談事項が出てきた時に、どのように対応されているかも確認しておきましょう。
「信頼できる主任保育士が相談窓口になっていますから、心配いりませんよ」
「まずは担当クラスの保育士で情報共有して話し合うことにしています」
「ほかの保育士に話しづらいことがあれば、園長の私に気軽に相談してくださいね」
など、相談体制が整っている様子が分かれば安心です。
園内の衛生面のチェック
働く保護者に代わり、幼い命を預かる保育園は、子どもたちにとって「第2のわが家」とも言えます。
園内が清潔で整理整頓されているかどうかは大切なポイントです。
見学の際は、特に衛生面に注目しましょう。
- 水回り
- 手洗い石鹸
- トイレのスリッパ
- 調理室
- 子どもたちのタオル
- 歯ブラシの置き場
- 床がベタベタしていないか
- 各箇所のにおいはどうか
「自分の子どもを預けるとしてもOKかどうか?」という視点で見ると、その園が子どもたちをどのように大切に考えているかが見えてくるはずです。
子どもたちの様子と保育士の人間関係
働きやすい保育園を見極める上で、いちばん注目したいのが、子どもたちと保育士の人間関係ですね。
「子どもたちがのびのび過ごしているか?」「笑顔で楽しそうか?」眺めてみましょう。
1人でぽつんとしている子はいませんか?
保育士は、笑顔に疲れが見えたり、子どもに邪険に接したり、無関心であったりしていないでしょうか?
「子どもが好き」で志す保育士の仕事ですが、勤務してみると理想と現実のギャップに愕然とし、投げ出したくなる時もあります。
「子どもたちが言うことを聞いてくれない」
「トイレの世話が大変」
「保護者の対応に疲弊する」
「同僚と価値観が異なり、ぎくしゃくしてしまう」
等、どの現場でもさまざまな悩みが聞かれますが、そのような中、保育士自身が生き生きと子どもに関わっているなら、その保育園は理想的な勤務環境であると考えられます。
保育士同士の関わり(人間関係)についても、観察してみましょう。
「ざっくばらんなやり取りができているか?」
「全体的にフレンドリーな雰囲気を作っているか?」
がポイントです。
保育室にはたいてい複数の保育士がいますが、1人が生き生きしていて、他の保育士は憂鬱そうというのは、風通しが良くない証拠です。
また、見学に訪れた初対面のあなたに、保育士たちがどのように接するかも働きやすいか働きにくいかを判断する重要なポイントになります。
業務に差し支えない範囲で、出会った保育士に簡単な質問をして反応を窺いましょう。
上記に記載した点をクリアしていれば保育士にとって働きやすい保育園であることは間違いないでしょうが、全ての項目を満たしている園は数少ないでしょうし、慎重になり過ぎて転職のチャンスを逃がしてしまう事にもなりかねませんので、まずは「あなたが重要視するポイントが何か?」を自分の中で明確にしておきましょう。
そのポイントが人間関係なのか?給与なのか?プライベートの充実度なのか?は皆さん違ってきます。
また、「ここなら大丈夫!」と思って飛び込んだ保育園でも、実際には期待と異なる場合もあるかと思いますが、まずは無理をしないこと、困ったときはSOSを出して、周りのアドバイスを聞いてみることです。
健全な職場なら、誠実に奮闘しているあなたの力になってくれる人は必ずいます。
ここに勤めて良かったと思える保育園に出合えることを、心から願っています。