【2018年版】保育士の処遇改善手当・補助金はいくら貰える?いつまで?

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保育士不足が叫ばれている中、給与や待遇を改善していく方針が平成27年に厚生労働省から打ち出されています。

キツイ、給料が安いなどの理由で、保育士を辞めてしまう人や資格があっても保育士の仕事に就いていない潜在保育士を待遇改善し、保育士の人数を確保しようとする施策です。

ここでは、保育士の処遇改善手当や補助金について、「いつまで?」「どのくらいもらえるのか?」についてご紹介していきます。
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いくら貰える?厚生労働省が打ち出した保育士処遇改善手当とは?

保育士は離職率が高く、キャリアアップの明確な指標がない状況でしたが、厚生労働省は保育士の処遇改善を盛り込んだ緊急対策案を発表しました。

現場の保育士の賃金見直しやキャリアアップ、また国家資格である保育士免許を取得するにあたって、メリットとなるような施策が発表されています。

大まかには、『保育士全体の給料を2013年から4年間で7%上乗せすることを達成する』ということです。

さらに、2017年度からは2%ほど上乗せするということも施策として盛り込んでいます。

合計9%の上乗せは、合計すると『約30000円』となり、国家資格でありながら薄給である保育士にとっては嬉しい制度です。

○ 国全体で必要となる保育士の数は、平成29年度末時点において「46.3万人」

○ 平成29年度末において必要となる保育士「46.3万人」から、平成25年度の保育所勤務保育士数37.8万人及び平成29年度末までの自然体の増加分2万人を差し引いた、新たに必要となる「6.9万人」の保育士を確保するため、新たに以下の取組を実施

引用:「保育士確保プラン」の公表

新たに資格を取ろうとする人だけでなく、全国にいる潜在保育士「60万人」にもスポットを当て、資格を取得しやすい補助や保育の現場に復帰しやすい環境整備に乗り出しています。

手当や補助金の対象は誰?どのような手当や処遇改善があるの?

役職つき手当

長きに渡って保育園で働くことで役職手当が付くことは、キャリアアップを目指す指標となり、また保育士の離職率の低下にも関わってきます。

副主任保育士や専門リーダーの役職が付くと、給料に月額40000円の手当が付くことになりました。

ただし条件があります。

  • 勤続年数が7年以上あること
  • キャリアアップ研修8部門のうち、4部門を受講すること。(乳児保育、幼児教育、障碍児教育、食育・アレルギー、保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援、保育実践、マネジメントの8部門のうち、4部門)
  • 所属している園が正式に発令を行うこと

以上の条件をすべて満たしていることが必須となります。

勤務年数に応じた給料アップ

保育士の勤続年数や経験に応じて、『3%』を加算することで月額の給料をアップすることになりました。

従来は働いても基本給はさほど上がらないことから、勤続年数が7年程度で退職する保育士が多かったのです。

この施策によって、経験や年数に応じて月額給与が上がるのは「長く働こう」という意思につながっていきますよね。

キャリアアップ研修

3年勤続している保育士は、前述した8部門の研修のうち保育実践とマネジメントをのぞく1部門の受講を行うことで、職務分野別リーダーとなれます。

職務分野別リーダーになると月額5000円の加算がされるようになりますが、園からの発令が必要です。

この職務分野別リーダーは全職員の5分の1と人数に制限はありますが、経験しておくことで副主任保育士への道が開けるので、将来的なキャリアパスが見えてきますね。

潜在保育士就職準備金の貸付制度

すでに資格を持っている場合で、新たに保育士として働く場合の貸付制度です。

例えば、保育士免許を持っているが1年以上働いていないことや、保育士登録後1年以上を経過している場合など自治体によって条件が異なる場合があります。

貸付金額や必要書類なども異なります。

働こうとする保育園の都道府県のホームページで申請期間を確認しておくと良いでしょう。

保育士資格の取得支援

保育士の資格を取得するにあたり、いくつかの支援があります。

これから保育士を目指そうという方や、すでに保育園で働いている人向けの支援となっています。

保育士修学資金貸付事業

指定保育士養成施設に在学している学生への修学資金の貸付けがあります。

貸付額は月額5万円以内で、貸付期間は2年間を限度とします。

また、貸付の初回に入学準備金として20万円以内、卒業時に就職準備金として20万円以内をそれぞれ加算される制度です。

これらは無利子で貸し出されるほか、保育士養成施設卒業から1年以内に保育士登録を行い、修学資金の貸付けを受けた都道府県の保育所などで保育士として5年以上働いた場合、返還が免除されます。

求職者向け職業訓練受講給付金

求職者支援訓練において、保育士科で職業訓練を受けた場合にも、一定条件を満たす場合には、職業訓練受講給付金を受け取ることができます。

月10万円のほか訓練機関へ通う交通を支給し、希望する場合には貸付けを受けられる制度です。(月額5万、配偶者などが要る場合には月10万円)

幼稚園教諭免許を有する者への保育士資格取得支援事業

実務経験が3年以上ある幼稚園教諭免許を持つ人が、新たに保育士の資格を取得する場合、通常の保育士資格試験科目から免除される科目があります。

保育士の処遇改善手当はいつまでもらえるの?

保育士の処遇改善については、平成29年度までを一定の目標としています。

平成29年度ニッポン一億総活躍プランに盛り込まれた、保育士の処遇改善ですが、賃金アップだけ見ると、2013年から段階的に上がるよう施策が取られています。

ただ、処遇改善については、まだ始まったばかりの施策です。

今後も保育士を確保するために継続して行うことを厚生労働省の「保育士確保プラン」に記載されています。

非常勤だけど手当の対象になるの?

・園長・主任保育士※を除き、保育士・教諭に限らず施設の通常の保育・教育に従事する全ての職種・職員(非常勤職員含む)を対象とできます。

引用:技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について

園長、主任保育士をのぞく、園で働くすべての保育士が対象となります。

非常勤やパートであっても対象にはなりますが、対象者の発令を園側からなされることが条件となります。

実際にはどうなの?給料はアップしているの?

処遇改善が話題になってからもかなり時間は経過しました。

ですが、現場では「給料が上がった」という実感はないケースがほとんどではないでしょうか。

この処遇改善の分配率はある程度基準があるものの、ほとんどは園側の裁量に任されているケースがほとんどです。

月額で支払うべきものではありますが、ボーナスに上乗せされている場合も少なくありません。

保育士の処遇改善は始まったばかり。今後の動向に期待を!

待機児童問題が発端となり、有資格者の確保に向けて国が保育士の処遇改善を掲げて、さまざまな改善策を検討しています。

しかし、現場の保育士は、以前より給料ベースが上がったと感じている人よりも、改善されえている実感がわかない人の方が多いように感じます。

保育士の給料ベースを決めるのが園側であり、助成金や補助金として園に支給されることから実際の給料に反映するか、支給対象者になるのかは、園の裁量次第という側面があるからかもしれませんね。

国の政策として始まり、まだ過渡期であるため、段階的に引き続いて改善していく様相はありますね。

今後の保育士の処遇改善に期待し、保育士が働きやすい環境作りが求められます。

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