小規模保育園で保育士が働くメリット・デメリットは?

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保育士の転職先として人気が高いのが小規模保育園です。

子どもの人数が少ないので落ち着いて保育ができると考えている人も多いでしょう。

しかし、具体的にはどのような保育を行っているのか知らないことも多いのではないでしょうか?

小規模保育園はいくつか種類があり、内容も少しずつ違いがあります。

そこで、小規模保育園の種類や、働く上でのメリットやデメリット、さらにどういった人が向いているのかを園の特徴を踏まえて紹介します。
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小規模保育園とは

0歳児~2歳児を対象とし、定員が6人以上19人以下の少人数で行われる保育のことを小規模保育園といいます。

そのほとんどが認可運営されています。

子どもの人数が少ない分、職員の目が行き届いた手厚い保育を行える、といったことが最大の特徴といえるでしょう。

定員5人以下を預かる家庭的保育、反対に定員20人以上を預かる認可保育園のちょうど中間的な役割をしています。

▶保育士資格は必要?

小規模保育園における保育士資格は、必ずしも必要ではありません。

もちろん有資格者の方が有利にはなりますが、無資格者でも同等以上の知識があれば働くことができます。

小規模保育園が0歳児から2歳児までを対象とする理由

小規模保育園は、そもそも待機児童の解消を目的に作られた施設なので、待機児童が圧倒的に多い0歳、1歳、2歳児までを対象としています。

あえて大規模保育園ではなくて小規模保育園に預ける保護者もいますが、理由は2歳児までの乳児は大人数の集団生活でなくても、ゆったりと家庭的な雰囲気の中で行う保育を求めているからです。

そういった保護者のニーズに合わせた保育を実現したのが2歳児までを対象とした小規模保育園なのです。

小規模保育園の種類はA型、B型、C型の3種類

小規模保育園は各自治体によって基準は多少異なります。

ですが、ここでは国の認可基準を元に園の種類を表で説明していきます。

A型 B型 C型
職員数 保育所の配置基準

+1

保育所の配置基準

+1

0~2歳児 3:1

無資格者 5:2

資格 全員が保育士資格必須 1/2以上

保育士資格必須

家庭的保育者

※市町村が行う研修を受け、合格した保育士・保育士と同等以上のの知識及び経験を有すると市町村長に認められた人

設備

面積

0、1歳児:

1人当たり3.3㎡

2歳児:

1人当たり1.98㎡

0、1歳児:

1人当たり3.3㎡

2歳児:

1人当たり1.98㎡

0~2歳児:

1人当たり3.3㎡

給食 自園調理

連携施設から搬入可能

自園調理

連携施設から搬入可能

自園調理

連携施設から搬入可能

小規模保育事業A型

職員全員が保育士資格を持っているため、3つの中で最もレベルの高いのがA型の小規模保育園だといえます。

職員配置もプラス1名の基準をとっているため、手厚い保育ができることも特徴として挙げられます。

 

小規模保育事業B型

有資格者が全体の半数以上となっているので、このB型もきめ細やかな保育ができる形態だといえるでしょう。

必要な保育室の面積もA型と同様なので、ゆったりと保育に集中しながらも目の行き届く範囲で子どもの様子を見られます。

 

小規模保育事業C型

一番規模が小さいのがこのC型になります。

無資格者でも保育に携わることができるので、資格取得を目指しながら保育園で働いてみたい人にも向いています。

家庭的な雰囲気をより感じながら保育を行いたい人にもオススメの園です。

 

全ての施設に共通する卒園後の連携施設

内容に違いはあるそれぞれの小規模保育事業ですが、卒園後の子供たちのために、全ての事業に共通して必ず連携施設を設けることが決められています。

その連携施設とは「幼稚園」「認可保育園」「認定こども園」です。

必ずしも卒園後に入園できるわけではないのですが、小規模保育事業に通っていたら優先的に入れるようになります。

「3歳の壁」とよく言われますが、こういった連携施設があれば安心して利用できる仕組みとなっています。

小規模保育園で保育士が働くメリット

▶家庭的でアットホームな雰囲気で仕事ができる

小規模なので家庭的な雰囲気を感じながら保育ができる、余裕をもって保育に集中できる環境にあるといったことが最大のメリットです。

慌ただしく時間に追われながら活動するのではなく、アットホームな空間で家庭のようなお世話ができるので保育士にとっては無理なく仕事を進められます。

保育士は子どものお世話だけでなく書類仕事も多いですが、小規模保育園は時間にも余裕がうまれるので、事務仕事を持ち帰ったり残業などせず就業時間内に業務が行えることもありがたいですよね。

▶手厚くきめ細やかな保育ができる

職員の配置数が決まっていて、職員数がきちんと確保されています。

最低限の職員配置数でも十分に余裕をもって保育できる環境なので、その分きめ細やかなお世話をすることが可能です。

安全に配慮しながら手厚く子どもの様子を見ることができるので、保育士にとっても安心しながら働けるでしょう。

▶小規模だから職員間の情報共有が早い

大規模な保育園とは違い、小規模保育園は保育室がいくつもあるわけではありません。

そのため職員同士が常に同じ空間にいることで、必要な伝達や情報共有が早く行えます。

大切な子どもの様子や保護者との連携事項をいち早く知ることができるのは、気持ちよく働く上で大きなメリットとなるでしょう。

小規模保育園で保育士が働くデメリット

▶大きな行事が期待できない

預かる子どもの年齢が2歳児までということもあり、運動会や保育参観、生活発表会などの大きな親子行事などは期待できません。

職員や子どもたちだけでも楽しめるハロウィンや毎月の誕生会などはもちろん可能ですが、準備物や環境整備なども自分たちで1から作らないといけないデメリットがあります。

▶環境が整っていない園も多い

ビルやマンションの一室に保育室があり、園庭がないところも多くあります。

周りに公園や遊べるような環境がないところもあったりと、環境的に恵まれているわけではありません。

全ての園が環境の整っていないところばかりではないですが、大規模な保育園のような設備は期待できません。

▶職員同士の人間関係が濃くなりがち。なので簡単に距離を置くことができない

もしもいざこざがあった場合は、他の職員と距離を置くことが簡単にできないというのがデメリットです。

子どもの人数が少なく保育室がいくつもあるわけではないので、職員は同じ空間で常に一緒に仕事をしなくてはなりません。

どうしても合わない職員がいると毎日仕事をする上で働きづらくなってしまいます。

小規模保育園に向いているのはどんなタイプの保育士?

▶少人数でゆったり保育したい保育士

日々バタバタと過ごすのが苦手な人、大きな行事などができなくてもゆったりと保育がしたい人は小規模保育園には向いているといえます。

大きな保育園であれば年齢別にクラス分けされていて、発達や成長過程に合わせた保育を行いますが、小規模保育園ではクラス分けもなく縦割り保育です。

全員でゆったりと過ごすことができるので、肉体的にも精神的にも余裕をもちながら働きたい人に向いています。

▶乳児中心の保育が好きな保育士

当然ですが、乳児が好きでないと小規模保育園に勤めるには厳しいです。

2歳児までしか入所していないので、幼児よりも乳児と関わりたい人にとっては小規模保育園は毎日楽しく仕事ができますよ。

▶積極的に意見を発信できる保育士

小さい行事にしても、自分たちで1から企画して内容を考えていかなければなりません。

また、職員の意見が日々の保育に反映されることが多いです。

小規模保育園には主任や園長が必ずしもいるわけではないので、何かを決定するにあたっても自分たちの意見が非常に大切になるのです。

故に積極的に意見を出せる人が求められます。

小規模保育園の保育士求人の特徴は?

小規模保育園は普及していなかった頃は給料も低く賞与なしのところが多かったのですが、普及してきた今では厚労省の保育士待遇改善が進み、給料も大規模保育園と変わらない園がほとんどです。

待機児童の多い都市部では、積極的に保育士確保のため「住宅手当」「寮完備」などの求人を出している園もあります。

環境がそれ程整っていなくても、何に力を入れているのか、どのような特徴があるのかを園ごとに調べ、自分に合った条件で探してみましょう。

そして、小規模保育園は人気が高いので、すぐに募集が終了してしまうことも多々あります。

出遅れてしまわないように、気になる保育士求人を見つけたらすぐに行動に移すようにしましょう。

 

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気になる園があれば見学に行ってみよう

求人内容だけでは見えないこともあるので、気になる園があれば見学に行くことをオススメします。

中には連携している保育園や幼稚園、認定こども園と協力して、土曜日だけでも異年齢保育を行っている園もあります。

小規模だけにとどまらず、外部との連携に力を入れている園なのか、地域との関わりはあるのかなども園選びには大切な要素です。

失敗しないためにも、正式に応募する前に実際に園の雰囲気などを見て慎重に選ぶようにしてくださいね。

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