【保育士向け】はだし保育ってどうなの!?その効果やデメリットについて解説します

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実習に行く園の事前指導では、『靴下を必ず履く事』と指定される園は多いです。

園側が靴下着用を促す理由としては、

『水虫などの感染症を防ぐ衛生面を重視しているから』

『フローリングで保育をする為転倒防止』

などが挙げられます。

しかし、実は『はだし保育』はとても良い効果が子ども達にあるのをご存知でしょうか?

この記事では、保育士が抑えておきたいはだし保育のねらい、効果、メリット・デメリットについて紹介していきます。
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はだし保育を行う保育園のねらい・目的は?

hadasi実際にはだし保育を実践している園は存在しますが、その多くの園が『子どもの健康面での発達に高い効果をもたらす』事を挙げています。

また、身体的な発達だけではなく、精神的な発達にも大きな効果を見せています。

実ははだし保育は五感の発達に大きな影響を与えるとされており、将来子ども達が感受性豊かな人間へと成長する事を願って行われています。

では、具体的にどんな面で子ども達の発達を助長してくれるのかを見ていきましょう。

はだし保育を行う効果と3つのメリット

① 感覚器として足の機能を育み、五感を刺激する

足の裏への刺激は、大脳への刺激となります。

五感を発達させる事で、想像力が豊かになり、感受性溢れる子どもへと成長していきます。

五感の発達や想像力を養う事は、芸術面の才能開花にも繋がります。

そして、足の裏を子どもの時期に刺激し続ける事で、足裏の感覚が更に研ぎ澄まされていきます。

冷たさ、熱さ、凹凸など、様々な刺激を与える事で感覚が養われ、細かく反応できる様になる事で転倒もしにくくなり、怪我防止にも繋がるので保護者からも喜ばれます。

② 偏平足から子ども達を守ってくれる

子どもは正しい歩き方を身に付けようにも、まず歩行が安定していません。

更に、そこに靴下が加わってしまい、十分に土踏まずが形成されず偏平足のまま就学を迎えてしまいます。

しかし、はだし保育を行う事で足裏に刺激を与え、土踏まずの形成を促ししっかりとした歩行ができ、転倒しにくい子どもへと成長していきます。

③ 正しい歩き方を身に付けて、足への負担が少なくなる

靴下を履かない事で、体重が均一に足裏へと掛かって、歩き方も自然と足に負担の少ないものへと発達していきます。

正しい歩き方をしていれば、どちらかの足に負担がかかる事もないので、その後の成長でも骨が歪んだり、歩き方が悪く転倒しやすくなってしまう事を防げます。

土踏まずの形成への影響は?運動ができる様になるって本当?

hadasia上記でも少し触れましたが、偏平足を防止して土踏まずの形成に大きな役目を果たしているのがはだし保育です。

裸足で歩く事で足裏が地面と接し、様々な刺激を受けて段々と土踏まずが形成されていきます。

土踏まずが形成されると、歩行が安定し疲れにくい足が出来上がります。

転倒しにくい事も加わって、より運動に集中できる様になるので、運動成績も良くなると考えられています。

はだし保育を行う上で考えられるデメリット3つ

① しもやけの可能性が出てくる

はだし保育は足裏で物事を感じるのが大切なので、もちろん冬も裸足で保育を行います。

床暖房の導入されている園であれば部屋の中は良いですが、外遊びの際や廊下など、床暖房の無い部分を歩く際にしもやけになる事が問題です。

そして、外ではだし保育をして部屋の中に入り、床暖房で一気に足を温められるのもしもやけの原因です。

あまりに温度が低すぎる・温度差がある場合は、はだし保育を中断するのも手の一つです。

子どもは特に末端部分が冷えやすく、湿疹になり痒みを伴う事もある為、掻きむしって傷痕になる事もあります。

保護者は子どもの痕が残る怪我を嫌う傾向にあるので、タイミングを見ながら、しもやけをしない程度にはだし保育を実践するなど気を付けましょう。

② 就学後に靴下を履く事に馴染めない可能性がある

靴下を履かないことに慣れてしまうと、逆に靴下を履いた時に違和感を持ち、足の裏の感覚がない事に不安を持つ子もいます。

就学後は、怪我防止の意味も込めて裸足になる事はほとんどありません。

はだし保育を行うのは、子ども達の身体面や五感を鍛えるのに使えますが、就学前には履かせる習慣を身に付けさせる必要があります。

③ 足の裏の傷から菌が入り込み、化膿してしまう

はだし保育のデメリットで一番保護者・保育士が懸念するのが、この『怪我や化膿』です。

子どもは活発に動くので気付かない内に傷を作り、裸足で歩く為にそこから菌が入り込む事も珍しくありません。

人数が多いクラスでは大変かもしれませんが、一日の内に必ず一度は足裏を怪我していないかチェックする事をお勧めします。

はだし保育を実施している保育園を紹介!どんな様子で行っているの?

メリーポピンズ

HP: http://www.popinzu.jp/popinzu.html

この園では、『にんげん力』という、子ども達の生命力の強さや、好奇心を育てる事を第一にはだし保育をその一環として行っています。

保育士が率先してはだし保育を行い、子ども達へと思いきり外遊びをする姿を見せます。

これをこの園では『背中を見せる保育』と呼び、子ども達が持つ裸足への抵抗を無くし、思いきり遊ぶ事の大切さや楽しさを伝えています。

室蘭はだしっこ共同子供園

HP: https://hadasikko.jimdo.com/

はだし保育を行う事で、子ども達はのびのびと身体を大きく使う遊びを覚えていきます。

室蘭はだしっこ共同子供園では、足裏に感じる感覚から『心地よい』と感じ、子ども達の生き生きとした表情を引き出す事を目的にしています。

社会福祉法人慶泉会さくらい保育園

HP: http://sakuraihoikuen.com/

豊かな人間性と生きる力を養う事を目的として、その一環ではだし保育を実践している園です。

偏平足の子どもを出さない事は勿論ですが、健康な体作りや脳の発達も促しています。

また、はだし保育である為乳児期の子ども達がハイハイしやすくなり、筋力アップにも大きな効果を見せています。

保護者への理解・協力にはどんな言葉を使えばいい?子どもへの声掛けは?

f84d9272c78ee43eb33fd2b17705fe05_sやはり、預ける保護者からすれば、怪我のリスクも拭えず、はだし保育を実践する園へといきなり預けるのは抵抗がある様です。

また、外に出る際に靴を裸足で履かせる事への不衛生さに不安を漏らす声もあります。

子どもも同様に、預けられるまで靴下に足を守られていた事は、足裏に感じる刺激に驚いて最初の方は戸惑ってしまいます。

そういった保護者へは、あくまで保育士は『そうだったんですね。』と、いきなり否定形や『うちの園ではこうやって実践していますから!』と無理矢理押し付ける形は避けましょう。

 

まずは保護者のはだし保育への不安な気持ちを受け止め、無理強いする事なく、

『何故はだし保育を行っているのか』『どんなメリットがあるのか』

や、靴を裸足で履く為にこまめに靴洗いをお願いしている事など、衛生面で取っている対策についても全て話しましょう。

子どもへも『しなきゃダメ!』と押し付けるのではなく、子どもが裸足を安心して楽しめる様なきっかけ作りをすると良いでしょう。

足裏に気持ち良い泥や、柔らかな芝生などの感触だと子ども達も喜びます。

保護者・子ども達の不安な気持ちを受け入れた上で、子ども達の発達に大きな効果を見せる事を説明して、地道に理解を得ましょう。

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