保育園での業務内容は、子どもたちの保育に関連する業務が山ほどありますが、「どんな仕事も全部好き」という保育士さんは少なく、本当はやりたくない嫌いな仕事も実は結構あったりします。
中には勤務時間外にやらなければいけない仕事もあったりするので、持ち帰りの仕事は嫌がる保育士さんも多いですよね。
この記事では、保育士として働く皆さんに「どんな業務が好き」で、「どんな業務が苦手・嫌いか」現場のリアルな声を集めたので紹介させていただきます。
保育士に聞いた「嫌いな業務は何ですか?」
「書類作成」
私が最も嫌な仕事は、書類を作ることです。
年、月、週、日の「計画案」や「反省」はもちろん、子ども達一人ひとりの発達や指導の仕方、保護者に配布する「おたより」などの書類が多くて大変です。
家へ持ち帰って書類作りをしても間に合わない時は、夜遅くまで残って仕事をするのは当たり前です。
子どもの成長や計画などを記録することは大事だと思いますが、保育士の仕事は意外に書類がとにかく多いのでイヤです。
保育計画を作ることが一番大変です。
低年齢の場合は「月齢」ごと。
3歳以上は、年齢の計画を作成し、主任保育士などに提出しなければなりません。
保育計画の作成は、慣れるまで時間もかかりますし、作成したとしても、何回も再提出などになるので、本当に疲れる業務です。
「雑用」
私は、掃除などの雑用がやりたくありません。
保育士になっている人は、みんな「子どもと関わりたい」という思いを持っています。
それなのに、子どもと関われない掃除やプリントの整理などはやってて楽しくないので嫌いです。
特に保育補助など臨時保育士さんは、雑用係で使われることが多く、先輩保育士にいいように使われてしまったり、見ていて可哀そうだなと思う時も結構あります。
「保護者対応」
一番の大変な業務は、園児の保護者の方とのやり取りです。
転んで膝を少しでも擦りむこうものなら、物凄い剣幕で私達に怒鳴り散らす人もいますし、お迎えの時間に、1時間遅れても謝りもしない人もいます。
保護者の相手をすることに比べたら、子供たちに関しては何をしても許せます。
「保護者参観」
どの行事も準備が大切ですが、保護者参観に関しては、クレーム発生の源にもなりかねないので、園全体で準備を徹底しています。
日が近づくにつれ、サービス残業も増えますし、当日は保護者からの視線が厳しいので、保護者参観の日は本当に憂鬱です。
「保護者都合の病児保育」
子どもが発熱しているのに連れてくる保護者対応が嫌です。
「病児保育をしていないこと」「集団生活のため他の子にも移ってしまうこと」
何より体調のすぐれない子どもを保育園に連れてくること自体が可哀想なことを伝えても、こういう親は基本保育士の言葉を聞き入れてくれません。
こちらから意見を言おうものなら、苦情に発展するケースが多く、保護者の対応にはいつも悩まされます。
中にはこんな声も
「研究大会の主催園で、主役に抜擢されること」
人権、放送教育など、大会は様々で、信頼のある保育士が「主役」として園長に指名されます。
主役に指名されると、クラス運営の取り組みや援助、その経過などの計画書、報告書など仕事がかなり増えます。
また、研究の書類よりも地獄なのが、自分の保育している姿、声のかけ方などを1日中張り付いて見られる日が増え、何の気なしに言った一言まで書き留められたり、ビデオで後から検証されたりします。
そんな大変な思いをしても、給料が増えたり、出世するということは特にありません。
周りの保育士もサポートしてくれますが、園を代表するプレッシャーと、仕事量の半端なさを知っている保育士であれば、これが一番嫌がることだと思います。
※保育士が嫌な業務は「直接子どもと触れ合わない仕事」だった
保育士さんに嫌な業務について聞いてみたところ、上記で紹介している以外にも、色々な回答がありましたが、全てにおいて共通しているのは「子どもと関わらない仕事」という点です。
例えば、書類作成業務や雑用、保護者対応など、どの業務も園児との触れ合いは少ないです。
掃除などであれば、年長さんなどと一緒に作業することもありますが、書類作成業務に関しては、残業が増えたり、持ち帰って仕事をすることになるなど、良いことはありません。
残業も残業代が確実につけばいいのですが、実情としましては、サービス残業になっている園が圧倒的に多いと思います。
できれば事務作業はやりたくないという保育士さんはとても多く、この辺は悩み深いですね。。
保育士に聞いた「あなたが好きな業務は何ですか?」
「子どもと外で遊んでいる時」
園庭でおにごっこ、かくれんぼ、遊具で遊ぶのも好き。
遊んでいる時の子どもたちの笑顔が一番きらきらしています。
運動が苦手な子でも、かくれんぼなら走ったりしなくて良いし、見つけられた時の何とも言えない悔しそうな顔や、見つけてもらえて嬉しそうな顔など、色んな表情を見せてくれます。
みんなで遊ぶ中で、それぞれの個性を見つけていけるのも楽しい。
年長になると、保育士も真剣にならないとこどもたちの相手にならないので、自分も楽しめる一番好きな業務です。
私が保育士の仕事の中で1番好きなのは、「子どもたちと思い切り自由に遊ぶ」ことです。
外で自転車やボール遊び、砂遊び、落ち葉拾い。
室内でお絵描き、粘土遊び、チラシを破って雪を降らせるなど、子どもがしたい遊びを一緒に楽しむことが私も楽しいからです。
子供たちと園の周りを散歩したり、子供たちと天気のいい日に外で一緒に遊ぶのが1番好きです。
保育士が1日に行う業務には本当に色々ありますが、やっぱり子供たちと一緒に遊んで過ごす時間が1番楽しいですね。
煩わしい保育士同士の嫌な感じも、この時はあまり感じませんし、何より子供たちの笑顔を見ているのが好きなので、一緒に何かをすることが1番好きです。
「午睡(寝かしつけの時)」
朝泣いてこようが、わがままを言って困らせようと、ぐずって言うことを聞かない時があろうと、スヤスヤと寝ている可愛い寝顔を見ると、嫌なことがあっても全てが吹っ飛んでしまいます。
また、子どもを寝かしつけた後に、「こういう理由で泣いてたのかな?」「あの時こうしてあげればよかったのかな?」と反省し、自分と向き合う時間にもなります。
「連絡帳の記入」
保育士の仕事で1番好きな業務は「連絡帳への記入」です。
連絡事項そのものよりも、子供の様子を連絡帳で伝えることが多いのですが、地味な書き込み作業ですが私は1番好きですね。
本音を言えば工作の準備も好きなのですが、工作の準備は持ち帰り仕事になることが多いので「好きな業務」としてはあまり挙げたくありませんw
「子どものための制作」
私が一番好きな業務は、子どもたちが帰った後に壁面や、思い出帳などの制作をすることです。
子どもたちがいる間は、常に気を張っていないといけません。
ですが、子どもたちが帰った後の静かな時間になると、子どもたち一人一人の顔を思い浮かべながら、切ったり貼ったりの制作にゆっくり時間をあてられるので、私はこの時間が一番好きです。
※好きな業務で圧倒的に多かったのは「子供と遊ぶ、もしくは子供のことを思って仕事をする」時間
嫌いな業務と比べてみると、1番の違いは「子供」が絡んでいることが圧倒的に多いことです。
中でも1番多かったのは「子供たちと一緒に遊ぶ」こと。
やはり、保育士になった人たちに共通しているのは「みんな子供が好き」ということ。
園児たちと触れ合う時間が、仕事として1番楽しいと感じる人が多いのです。
中には園児が帰宅した後にする業務などもありますが、その人たちはみんな「子供たちの顔を思い浮かべながら仕事をしている」という共通点がありました。
嫌いな業務、苦手な業務はどう克服していけばいいのか?
好きな仕事、あまりやりたくない仕事は保育士10人いれば、色々な意見が出てきますが、嫌な仕事がある場合、どのように克服していけば良いのでしょうか?
個人的な意見を言わせて頂くならば、苦手な業務に関しては、無理にやろうとせず、「断る」というのも、上手く切り抜ける方法です。
ですが、単に「やりたくない」「嫌だから」という理由なら、それは少しずつでも改善していくことが必要です。
嫌な業務を克服するポイントは、どんな小さなことでも良いので「その仕事の楽しみ方を見つける」ことです。
また、仕事が好き、嫌いと言ってるうちは、単に仕事に対する本気度が低いということも挙げられます。
「いや、私はちゃんと真面目に仕事してるよ」
という人もいると思いますが、私は仕事は本気でやってれば全部楽しいと思います。
目の前の仕事に目を向けてると本来の保育士の仕事を忘れがちですが、保育士の仕事は「子供たちを幸せにすること、笑顔にすること」です。
ここに焦点をあてて仕事をすれば、もっといい結果が出るようになるんじゃないでしょうか。