保育園で流行る夏風邪ヘルパンギーナ!気になる症状と予防法は?

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夏風邪ヘルパンギーナってどんな病気?

ヘルパンギーナは5月~9月にかけて流行り、7月中旬~8月に感染のピークを迎える夏風邪の一種です。

発症する原因は、エンテロウイルス属の「コクサッキ―ウイルスA群」と、まれに「エコーウイルス」によって引き起こされる感染症で、39℃前後の高熱とのどの痛みなどの症状が出るため、食べ物やつばを飲み込む事すら苦痛になります。

ヘルパンギーナに特別な治療法や特効薬は無く、各症状を柔らげるための対処療法や自然治癒が一般的です。

かかりやすい年齢は、5歳以下の乳幼児とされていますが、大人へ二次感染する恐れがあるので、日頃からやうがい・手洗いを習慣化し予防に努めましょう。

ヘルパンギーナにかかると現れる5つの症状の特徴

この症状が現れたら感染しているかも?

(1)急に38℃以上の高熱が出る
(2)食べ物とつばを飲み込む際に強い痛みを感じる
(3)口蓋垂(のどちんこ)の付け根に小さな水泡が現れる(直径1~5mm)
(4)高熱による関節の痛みとだるさ
(5)乳児の哺乳力低下と不機嫌

ヘルパンギーナの主な症状とは?

夏風邪ヘルパンギーナにかかると、38℃以上の急な発熱とのどの痛みが現れ、のどの奥に直径1~5mmの水泡がいくつもできます。

水泡がつぶれると、その部分がただれて潰瘍となり、飲食時やつばを飲み込むだけで強い痛みを感じてしまうのが特徴です。

そして、初期に現れた高熱は約2~5日で下がり、口内の潰瘍は1週間程度で自然に治るのが一般的です。

稀に、乳幼児が突発的な高熱を出すことによって、熱性けいれんや哺乳力低下を引き起こすこともあるため、発熱後24時間はしっかり観察し、急変に気を付けましょう。

また、高熱の他に嘔吐や頭痛などの症状がみられる場合は、急性心筋炎などの合併症が疑われるので速やかに医療機関への受診を促しましょう。

潜伏期間

潜伏期間:2~4日程度

潜伏期間とはウイルスが体内に入って感染し、症状を発症するまでの期間の事で、ヘルパンギーナを引き起こすエンテロウイルスの場合は、2~4日長くても一週間程度の期間を経て発症します。

夏風邪ヘルパンギーナの感染経路と予防法

・感染経路は2つあります!

(1)飛沫感染:ウイルス保有者の咳やくしゃみから感染
(2)接触1感染:排泄物を介して手に付着し、物や人に触れることで感染

ヘルパンギーナの感染経路は飛沫感染と接触感染で、発熱時にもっとも感染力が強まり、二次感染の確率が高まります。

熱が下がると感染力は徐々に弱まりますが、2~4週間は排便時にウイルスが排出されるので注意が必要です。

・毎日できる予防法とは?

  • うがい手洗いの徹底
  • 栄養バランスえを整える
  • 睡眠時間を十分取る

一般的に、夏は冬場に比べて手洗い・うがいの意識が低く、夏バテなどで食事のバランスも乱れがちになるので、免疫力が低下しやすくなります。

夏風邪ヘルパンギーナを予防するためには、基本的生活習慣を整えると共に、十分な睡眠をとるなど健康的な生活を心がけましょう。

保育園では、どんな予防と対策が必要なの?

簡単にできる保育園内の予防法をチェックしよう!

  1. 手洗いうがいの呼びかけ
  2. マスクの着用を促す
  3. 戸外遊びを取り入れ、適度な発汗を促す
  4. ハンカチやタオルの共用を避けるよう伝える

保育園でできるヘルパンギーナの予防法として一番気を付けたいのが「手洗い・うがい」です。

感染症予防に共通して言えることですが、日頃からこまめな手洗い・うがいを習慣付けることで集団生活内での感染を防ぐことができます。

また、子ども同士でハンカチ・タオルを共用する可能性もあるため、使いまわしたりしないよう保育士が注意を促しましょう。

近年、エアコンなどの普及により家庭での室内遊びが増え、体温調節機能が低下したり汗腺が発達していない子どもが増えてきています。

確かに熱中症には気を付けなければいけませんが、保育園ではできる限り戸外遊びを取り入れ、汗腺の発達を促し感染症にかかりにくい体作りを目指しましょう。

保育園での対応ポイント

ヘルパンギーナかも?と感じたら以下のような対応を心がけましょう。

  • つばが飲み込めない園児がいたら、口の中を視診し状態を把握する
  • 水分補給を促す
  • 感染拡大を防ぐため、別室で保育を行う
  • 園児が感染した場合、保護者へ予防を呼びかける

集団生活を行う保育園ではウイルスが拡散しやすいので、事前に対応ポイントの確認をしておくことが重要です。

上記の内容を念頭に置いて、常に園児の健康状態に気を配りながら保育を行いましょう。

いつから登園許可が出るの?

登園許可の目安は

発熱や口腔内の水泡・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること。

「保育所における感染症対策ガイドライン」(厚生労働省より)

と厚生労働省のガイドラインには示されています。

へルパンギーナに定められた出席停止期間はありませんが、感染が広がりやすい発熱時(2~3日)は登園停止になる園がほとんどです。

ガイドラインでも示されているように、

〇 発熱が続いている
〇 口の中の痛みがひどく通常の食事や水分補給が困難
〇 機嫌が悪い

などの症状がポイントとなるので、登園許可書の有無や園の基準を確認しておくといいでしょう。

ヘルパンギーナは大人の保育士に感染する可能性も…

この病気は子供がかかりやすいとされていますが、大人が感染してしまう事もあります。

特に、多くの園児と関わる保育士は感染確率が高くなりがち。

感染原因は、抵抗力が落ちている時に起こる二次感染で、39℃以上の熱が出るなど重症化しやすい傾向にあるので、日頃からしっかり予防と対策を行い元気に保育を行いましょう。

感染事例から病気を予防に取り組もう!

<事例1>

0歳児クラスの男の子がミルクを飲むのを嫌がったため、口の中を視診すると真っ赤に腫れていた。

熱は高くなかったが、すぐに保護者へ迎えを依頼し様子を伝える。

受診後連絡が入り、ヘルパンギーナに感染していたことが分かった。

 

<事例2>

3歳児の女児が、プール遊びの後ぐったりしているので、熱を測ると38.5℃の発熱が見られる。

園で3人ほどヘルパンギーナで休んでいたため、すぐに保護者へ連絡を入れる。

保護者に様子を話すと、女児の姉もヘルパンギーナにかかっているとのこと。

医療機関へ受診した後、ヘルパンギーナであった網の連絡が入る。

 

<事例3>

園内で夏風邪ヘルパンギーナが流行り、感染児を別室で保育している際に自分も感染しました。

子供と同じような症状で、つばを飲み込むのも辛く、2日間お休みをいただきました。

子どもがかかる病気だと思って油断していたので、次からは気を付けたいと思います。

 

<事例4>

朝、保護者より保育園へお休みの連絡が入る。

理由を尋ねると、3歳児クラスの男児が夜間40℃の高熱を出して夜間救急へ受診し、ヘルパンギーナと診断されたとのこと。

保育園でも感染している子が数名いることを伝え、しっかり完治させてから登園してもらえるように伝える。

園内でも手洗い・うがいを徹底し、職員同士の情報交換を密に行いながら感染拡大を防ぐ対策を行った。

 
感染事例から学ぼう!

保育士は、感染の早期発見ができるように、初期症状をしっかり把握し、常に子ども達の健康状態を観察しておくことが大切です。

感染の疑いがある場合は、別室で保育を行うなど他の園児に配慮し、感染が広がらないように注意しましょう。

また、感染していると医療機関で判断された園児がいる場合は、保育園から保護者へ予防を呼びかけ、園での対策について職員同士がしっかり話し合っておくことも大切です。

子どもだけでなく、大人である保育士が感染してしまうケースもあるので、常に手洗い・うがいを心がけ、健康な身体を維持するように努めましょう。

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